カテゴリー「書籍・雑誌」の1件の記事

『がんのひみつ』・・・この本、お薦めします!

東大の放射線科の中川先生の「がんのひみつ」という本をお薦めします。

Ganhimitsu

縦横、15cm弱の小さな本で、1、2時間で読みきれます。
ガンという病気の基本がとてもよく分かります。
サブタイトルに「がんも、そんなに、わるくない」とあるように、確かにガンとう病気の怖さも分かりますが、前向きにガンとの向き合おうという気持ちにもなると思います。

日本は世界一のガン大国だそうです。2人に1人がガンにかかり、3人に1人がガンで亡くなるそうです。

中川先生のこの本からはガンという病気のことだけでなく、もっと大事なこと、人間の生死感のようなものも考えさせられました。

ガン大国に生き、まわりにもガンの人が多いのに、日本人はガンに対する知識が乏しいことを憂えられています。

なぜ日本人はがんを知らないのか。日本人が「永遠に生きる」錯覚に陥っているからではないか、というのが私の推測です。十二世紀、平安時代末期から鎌倉時代に行きた歌人の西行は、「願はくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月の頃」と詠みました。死が身近にあり、死をつねに意識していたことがわかります。またそうせざるを得なかった。
 しかし、今の日本社会には、死を認めないムードがあります。死は病院に閉じこめられ、生活や意識から排除されているのです。死が見えなくなっている。(中略)
 がん治療の進歩によって、がんの半数は治癒できる時代になりました。しかし、「がん=死」というイメージはまだまだ根強い。憲法で戦争を放棄し、徴兵制もない今の日本で、死に直面する機会はまず病気、とりわけがんでしょう。
 ところが、自分の死を意識しなくなった大多数の日本人には、がんは他人事なのかもしれません。有名人ががんになると大騒ぎするのも、このことと関係があるはずです。死を忘れていたことを補うよかのように、その時だけは思い出すのです。(中略)

 がんは他の病気とちがって、患者さんの人生の縮図が現れてくる病気です。人生の時計の針が多少早く回っている、といえるかもしれない。
 がんが治っても人はかならず死にます。人間の死亡率は100%なのです。がんを通して人生を考えることが、「よく生き、よく死ぬ」ことにつながるのです。

   「がんのひみつ」中川恵一著(朝日出版社)より引用

| | コメント (0) | トラックバック (0)